人工林の林業作業

植林から伐採まで、50年の林業サイクル

林業では主に成長した木を、製材用やパルプ(紙を作るための原料)用として出荷します。

これらの木を伐採するための林には、自然に生えている木を伐採する「天然林」と、人の力で木を育てていく「人工林」に分かれます。

特に人工林では、森林環境を保全しながら木を育てていくための作業が計画的に行われています。

ここで、人工林の植林から伐採までの過程を簡単にご紹介します。その出荷までのサイクルは、実に50年以上もかかる長いものです。

出荷サイクルは長くなるので、別ページにまとめる!

↑この図の写真、そのまま使わせて欲しいです
(提供:三井物産フォレストって入れるので)

地拵え(じごしらえ)

植林する予定地に、これから新しい木を植えるための準備を行います。

伐採した後の根や雑草などを取り払ってきれいにし、また新植後の作業がしやすいように地面をならしていきます。

新植(しんしょく) 1年

地ごしらえをした土地に、苗木を植樹します。

下刈(したがり) 1〜3年

新植した木は最初のうちは樹高が低いため、そのままにしていると後から生えてきた雑草などの下草に埋もれて日が当たらなくなってしまい、木がうまく成長してくれません。そこで新植から3年ぐらいまでは、苗木が十分に大きくなるまでの間、定期的にこれらの下草を刈って苗木の成長を助けます。

除伐(じょばつ) 11年

新植から10年ほど経ったところで、生育不良のためあまり育っていないものや、他の木の発育のために邪魔になってしまうものなど、出荷のために育成する木以外を取り除く作業を行います。ここで取り除かれた木も、バイオマス発電のための燃料として使われています。

裾枝払い(すそえだはらい) 11年

木が人の背丈以上に成長して、枝がたくさん伸びてしまうと、人が林の中に入っての作業がとても難しくなってしまいます。そこで定期的に枝を落とすための作業を行います。枝打ちとも言います。およそ高さ2mぐらいまでの枝を落として、人が通れるスペースを作ります。

間伐(かんばつ) 18年〜40年

ひとつの地域あたり7〜8年に一度、木の一部を伐採して間引きをするのが間伐です。

木が密集してくると、森の中に十分に日光が届かなくなってしまうため、それぞれの木の成長が阻害され、また木に生える枝や葉の数も減少してしまいます。

間伐を行って森に日光が届くようにすることで残った木の成長を促進させます。地面にも光が届くようになることで下草も十分に成長し、土地全体が健全化します。

ここで発生した間伐材が、バイオマス発電の主な燃料となっています。

この間伐については、次のページで詳しく紹介しています。

皆伐(かいばつ) 50年

新植から50年程度で、出荷のための伐採を行います。この時点で残っている木はすべて出荷用なので、全て伐採します。こちらは、木の程度に応じて製材用の木材や合板、またパルプ材用などとして出荷されていきます。

最終的に、2000本程度の木を植えて、50年後に丸太として出荷できるのはおよそ290本程度なのだそう。最初に植えた本数のおよそ15%です。


このように、地拵えから皆伐まで、実に50年ほどのサイクルとなっています。林業は長い時間のスパンで行われている産業なのです。

間伐は、50年の育成サイクルの中で、7〜8年ごとに4回ほど行われます。一度の間伐で、全体のおよそ3割の木を伐採し、7割を残します。

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